生エイヒレの煮つけ
ある日、根岸の「中里」に行ったら生エイヒレの煮つけというのがあった。分厚い身で、べろべろしていて、美味い。味は薄口の醤油味である。
昔、杭州の満漢全席で出て来た魚介のスープに、これとそっくりの物が入っていた。「これは何」と上海人の食通のSさんにきくと、「沙魚皮」だと答えたが。あれはこれではなかったかと思う。
ある日、根岸の「中里」に行ったら生エイヒレの煮つけというのがあった。分厚い身で、べろべろしていて、美味い。味は薄口の醤油味である。
昔、杭州の満漢全席で出て来た魚介のスープに、これとそっくりの物が入っていた。「これは何」と上海人の食通のSさんにきくと、「沙魚皮」だと答えたが。あれはこれではなかったかと思う。
昔、新小岩に押絵旅男氏のおじさんがやっている中華屋があるというので、押絵氏をはじめ幻想文学会の面々で食べに行った。
料理屋というよりラーメン屋風の店だったが、大きな大きな鯉の唐揚げが圧巻だった
。
昔、小野川温泉に二晩泊まった時、二日目の昼間、バスで米沢に出た。
駅前の「六十里」という鯉料理屋に入ってみたら、じつに美味いので驚嘆した。
中でも、白味噌仕立ての鯉こくは、桂魚を食べているようだと思った。
昔、妙見温泉の「おりはし」旅館で、O氏と鮎尽くしの料理を食べたことがある。
目の前を流れる天降川の鮎で、刺身も食べたが甚だ新鮮だった。
昔、道玄坂の「雪国」で、鯉の鱗を食べさせてくれたことがある。
鱗は鰣魚でなくても食えるのだと知った。
鮎は夏の小さい鮎しか食べたことがなかったが、落鮎も良いものだと知った。
秋の瀬見温泉に泊まった時、雨が降るごとに旅館の梁に沢山鮎がかかる。
「何本食べますか」
と女将さんがいうから、二本を塩焼きと田楽にしてもらった。いずれも大ぶりで、子持ちで、実に美味い鮎だった。
別の日には雄の刺身を食べた。白子がある。雌の焼いたのは卵があり、身も柔らかかった。
昔、渋谷警察の裏に「天芳」という店があった。亭主は天麩羅をはじめ何でも料理が上手で、メゴチの天麩羅が美味いことをこの店でおぼえた。
キビナゴを最初に食べたのは、銀座の博多料理屋でだったと思う。
べつに美味いとも思わなかったが、初めて鹿児島へ行った時、港の魚屋にきらめいているのに目を奪われた。身の透きとおった宝石のような魚で、食べ飽かなかった。
しかし、その後鹿児島へ行っても、あまり新鮮なものに出会わない。
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