「アジャンタ」の魚カレー、卵カレー
昔、九段の靖国神社の近くに「アジャンタ」という店があった。
当時は珍しかったインド料理レストランで、「玉子カレー」「魚カレー」などという食べ慣れぬ物があり、異国趣味を満喫した。
ここでは毎度小さな種のような物をお土産にくれて、嚙むと仁丹のように口がスッとしたが、あの物は何だったのか知らない。
昔、九段の靖国神社の近くに「アジャンタ」という店があった。
当時は珍しかったインド料理レストランで、「玉子カレー」「魚カレー」などという食べ慣れぬ物があり、異国趣味を満喫した。
ここでは毎度小さな種のような物をお土産にくれて、嚙むと仁丹のように口がスッとしたが、あの物は何だったのか知らない。
学生時代、本郷の東大正門前に「万定パーラー」という果物屋があり、その隣が喫茶店になっていた。果物屋は今はやめたが喫茶店は健在で、時々本郷に行くと立ち寄る。レモンスカッシュやオレンジジュースを飲みながら、名物のカレーライスを食べる。
カレーは真っ黒で、少しスモーキーな味がする也。
中学時代、級友が御徒町に「デリー」という美味いカレー屋があると教えてくれた。そこの「カシミールカレー」が辛さの絶頂だというので、試してみた。辛くて目蓋に汗が出たが、やみつきになった。
先年、ある人の家に泊まったら、レトルトのカレーが出た。味があの「カシミール」にそっくりなので、聞いてみると、果たしてそうであった。
本郷通りの喫茶店「ルオー」は、今は小さくなったが、昔は広くて趣のある喫茶店だった。昔からセイロン風カレーを名物にしていた。
以前の店が閉店する日、わたしも名残を惜しみに行ったら、八十歳くらいの白髪の常連客がカレーを食べに来た。ところが、すでに売り切れていたので、そのお客は年甲斐もなく怒っていた。
あの老人には同情する。
原宿へ引っ越した時、料理の不得手な祖母のつくるカレーが不味くて食べられない。
ある時、祖母は名案を思いついて、竹下通りの「丸屋」からカレー南蛮の汁だけ出前で取った。これを御飯にかければ、すなわちカレーライスとなる理屈だと考えたのだが、食べられたものではなかった。
以前、浅草「ひさご通り」の言問側の入口。向かって右側に「デコー」というカレー屋があった。デコーとはデコールの謂いだったのだろうか?
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