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2013年11月

2013年11月29日 (金)

「桂月」の椎茸蕎麦

 昔、修善寺温泉によく行って「独鈷の湯」に入ったが、この湯のすぐそばにある「桂月」という蕎麦屋で椎茸蕎麦を食べた。良い出汁だった。

2013年11月27日 (水)

喜至楼の鯰

 瀬見温泉の「喜至楼」は自前の梁を持っていて、それに時々鯰がかかるので、食膳に供する。鯰の皮は真っ黒い。味噌味の鍋にして、豆腐と葱を入れる。

2013年11月25日 (月)

本栖湖の鯰

 弟のマルクがまだ中学生の時、夏休みに一月、日本へ遊びに来た。私はその時大学の二年生で、クラスの友達と本栖湖のキャンプ場へ遊びに行くことになっていたので、弟を連れて行った。
 生き物の好きな弟は一日中湖で魚を釣った。小さな鯰が何匹も釣れた。それをガラスの鉢に入れて、ながめて喜んでいた。
 深夜、私と友人達は湖畔で焚火にあたりながら酒を飲んでいたが、つまみがなくなったので、鯰を焼いて、醤油をつけて食べてしまった。
 鯰はホクホクして美味だったが、弟は翌日愕然としていた。

2013年11月23日 (土)

小鯵の押寿司

 昔、祖母が大磯の病院に入院して、見舞いに通わなければならなくなった時、O君にそのことを言うと、「じゃあ、東華軒の小鯵の押寿司を食べなきゃ駄目ヨ」
  私は忠告に従い、毎回必ず電車の中で押寿司弁当を食べた。なるほど、たしかに旨い。紫蘇巻が一つだけ入っているのも、何となく嬉しい。

2013年11月21日 (木)

祖母の発明・即席カレーライス

 原宿へ引っ越した時、料理の不得手な祖母のつくるカレーが不味くて食べられない。
 ある時、祖母は名案を思いついて、竹下通りの「丸屋」からカレー南蛮の汁だけ出前で取った。これを御飯にかければ、すなわちカレーライスとなる理屈だと考えたのだが、食べられたものではなかった。

2013年11月18日 (月)

「埼玉屋」の桜鍋

 昔、浅草国際通りに「埼玉屋」という居酒屋があり、幻想文学会の会長達と一度入ったことがある。
 ここの桜鍋は「中江」や「みのや」と違い、甘辛でない味噌仕立てで、別種の風格があった。

2013年11月17日 (日)

「クラブ食堂」のアスパラガス麺

 山形の赤倉温泉旅館街の坂道に「クラブ食堂」という店がある。
 ここではアスパラガスを練り込んだ麺を出す。歯ごたえがあって、仲々良い。東北大地震の直前の昼御飯に、私はこのアスパラガス麺を食べていた。

2013年11月10日 (日)

ルージュ

 昔、五月のパリで魚の旨いというレストランに連れて行ってもらったら、ルージュという魚があったので、食べた。その名のごとく赤い小さな魚で、塩焼きにした。

2013年11月 8日 (金)

歌佐さんの南蛮漬け

 原宿に引っ越してお手伝いさんがいなくなった時、わたしの祖母は料理などしたことがないので、毎日素食に苦しんだ。
 小唄のお師匠さんの歌佐さんが見かねて、晩のおかずをつくってくれた。山かけに鯵の南蛮漬け。私は鯵の南蛮漬けを生まれて初めて美味しいと思った。

2013年11月 7日 (木)

「たこ梅」のさえずり

 あれは地震の前のことである。A井さんたちに初めて大阪の「たこ梅」へ連れて行ってもらった。この時に食べたさえずりは本当に美味であった。

2013年11月 5日 (火)

鮫の心臓

 昔、O君とM賀さんさんと三人でパジェロに乗って、三陸海岸を旅したことがある。
 鉄腕M賀さんは何時間も平気で運転をする。私は助手席でグウグウ寝ていた。時々、後部座席に仰向けになって、車の天井に開いている窓から外をながめると、新緑が飛び過ぎて行った。
 休憩のために車を降りた時、「ああ、くたびれた」とのびをしたら、「運転もしないくせに」とO君に叱られた。
  私たちは気仙沼で雲丹丼を食べ、そのあとスーパーマーケットで鮫の心臓を買った。酢味噌で食べる。ブキブキして味のしないレバ刺のようなものだと思った。

2013年11月 4日 (月)

「やまや食堂」の菜っ葉煮

 瀬見温泉の橋の向こうにある「やまや食堂」の女将さんは、白菜のあまりを茹でてから油で炒める。少し唐辛子を加えるのがミソである。
 大根もこの方法でやるが、すこぶる旨い。
 昔の年寄りの料理だという。

2013年11月 2日 (土)

だだちゃ豆の月見

 最上地方では、月見にだだちゃ豆を供えて食べる習慣がある。
 瀬見温泉の喜至楼で朝飯の時、女将さんに「今日は中秋の満月ですね」と言ったら、早速豆を買いにやった。
 夕飯にそのだだちゃ豆が出てきた。小ぶりの豆で、取っておいて月見をしようと思ったけれど、食べはじめるとあとを引くから、お代わりをした。その豆を肴にどぶろくをチビチビ飲んでいるうち、向かいの山の上にお月様が昇った。
 この土地では、十月の十五夜には薩摩芋を供えるのだと言う。

2013年11月 1日 (金)

クロワッサン

 昔、パリで何かの用事で画家のK村夫人のアパルトマンへ行った時、一緒に朝食を食べましょうと外へ出た。「ドゥー・マゴ」が混んでいたので、近所のべつのカフェへ入り、クロワッサンを食べた。
 日射しの明るい、春の朝だった。そこのクロワッサンは随分脂があって、中華料理のようだと思った。

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