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2015年11月

2015年11月27日 (金)

豆腐売り

 昔、原宿に引っ越したての頃、毎日夕方になると豆腐屋のお爺さんが天秤棒で担いで売りに来た。お爺さんは近所を一回りすると、竹下通りにあった酒屋でうまそうに冷や酒を飲む。
 ある時、私はお爺さんの吹くチャルメラが欲しくなり、どこに行けば売っているかと聞いてみた。
 「道伝にお行きなさい」
 とお爺さんは言う。聖堂と昌平橋の間の堀端にその「道伝」という店はあり、冬の寒い日に行ってみたが、もう商売はよしたのか、要領を得なかった。

2015年11月25日 (水)

メゴチの天麩羅

 昔、渋谷警察の裏に「天芳」という店があった。亭主は天麩羅をはじめ何でも料理が上手で、メゴチの天麩羅が美味いことをこの店でおぼえた。

2015年11月20日 (金)

赤貝の肝

本郷の「大松」で赤貝の刺身を頼むと、茹でた肝がついて来るのが楽しみだった。

2015年11月16日 (月)

鷭(ばん)

 泉鏡花の短篇小説に片山津だったろうか、北国の温泉で鷭を撃つ人の話が出て来る。  
 この鳥は昔、「楊州飯店」の宴会で出て来たことがある。スープにしたのだが、随分脂がのっていると思った。

2015年11月11日 (水)

近刊予告

11月刊行

オスカー・ワイルド『カンタヴィルの幽霊・スフィンクス』

http://www.kotensinyaku.jp/books/book220.html

光文社古典新訳文庫
南條竹則訳


2016年年頭

G・K・チェスタトン『ブラウン神父の知恵』


ちくま文庫
南條竹則・坂本あおい訳

 

 

「大松」の土瓶蒸し

 昔、本郷三丁目の交差点近くの裏道に「大松」という小料理屋があった。いつも機嫌の悪いおやじとおかみさんの老夫婦で経営していた。刺身も鍋物もうまく、しかも安くて、大学院時代に愛用した。  ある時、仏文科のS川先生と話している時、この店が話題になった。  
 「あそこの土瓶蒸しは、ほんとの松茸の香りがするんですよね」
 とS川先生はしみじみ言っておられた。

2015年11月 6日 (金)

ココナツ酒

 原宿に住んでいた頃、セントラル・ビルの一階にあった「カフェ・セントラル」というフィリピン料理屋へ時々行った。ここにココナツ酒が置いてあった。透明で、ほのかに甘酸っぱい香りがし、アルコール度数は高い。  
 南千住へ引っ越してから知り合ったA藤さんが、フィリピンへ行くというので、土産にココナツ酒を頼んだ。  
 A藤さんは透明なのと青いのと緑色のと三種類の酒を買って来てくれた。運転手に聞いて、ココナツ酒を買いに行ったのだが、
 「そんなもの、飲まない方がいいよ。身体に悪い」  
 と運転手は言ったそうな。  
 飲んでみると、たしかに凄まじい味で、昔飲んだものとは大違いだ。一本はM君にやり、一本はK君に進呈し、残りの一本はまだ家にある。

2015年11月 1日 (日)

蕎麦の茶碗蒸し

 

昔、たしか田沢温泉の「ます屋」で食べたのだったと思う。  
 茶碗蒸しの器の底の方に蕎麦を入れ、蕎麦粉とダシを合わせたようなものを加えて、上に卵を入れて蒸したもの。いわば蕎麦の茶碗蒸しだ。  
 本当は何という料理なのか知らないが、あれはオツなものだった。

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