ココナツ酒
原宿に住んでいた頃、セントラル・ビルの一階にあった「カフェ・セントラル」というフィリピン料理屋へ時々行った。ここにココナツ酒が置いてあった。透明で、ほのかに甘酸っぱい香りがし、アルコール度数は高い。
南千住へ引っ越してから知り合ったA藤さんが、フィリピンへ行くというので、土産にココナツ酒を頼んだ。
A藤さんは透明なのと青いのと緑色のと三種類の酒を買って来てくれた。運転手に聞いて、ココナツ酒を買いに行ったのだが、
「そんなもの、飲まない方がいいよ。身体に悪い」
と運転手は言ったそうな。
飲んでみると、たしかに凄まじい味で、昔飲んだものとは大違いだ。一本はM君にやり、一本はK君に進呈し、残りの一本はまだ家にある。