トビタケ
九月の初め、瀬見温泉で茄子とトビタケの煮物が出た。小さく切った、黒ずんだ茸であった。
このトビタケは、新庄の祭(八月二十四日)の頃に出始める。橅の木の根元に生える大きな茸で、番頭さんのいうには、二つもとるとリュックサックが一杯になるとか。
九月の初め、瀬見温泉で茄子とトビタケの煮物が出た。小さく切った、黒ずんだ茸であった。
このトビタケは、新庄の祭(八月二十四日)の頃に出始める。橅の木の根元に生える大きな茸で、番頭さんのいうには、二つもとるとリュックサックが一杯になるとか。
瀬見の旅館で、九月の半ばにサクラモダツという小さい茸と蒟蒻の醤油炒めが出た。香ばしい。
珍しい茸だそうで、調理したから茶色くなっているが、もとは桜色をしているとか。
中学生の時、友人のS井君とその親戚のYちゃんと三人で、夏休みに北海道を一周した。ユースホステルを泊まり歩く旅で、美味い物にはほとんどありつけなかったが、クッチャロ湖のほとりの屋台で買った男爵芋は、八月だというのに青くて甘く、えもいわれず美味かった。
北海道の馬鈴薯はみなあのように美味いのだと思っていたが、けしてそんなことはなかった。
七月の初め、微温湯温泉で朝食にギボウシとジャガイモの味噌汁が出た。
ギボウシは毎年紫の花を微温湯の庭に咲かせる。その茎はウルイのような感じで、かすかな苦味がある。今は硬くなったが、春先は柔らかくて美味しいのだとか。
昔、栃尾俣温泉に逗留していた時、バスで小出の町へ酒を買いに行った。土産物屋でマタタビの酢漬けを売っていたので、つまみにと思って買ってみた。癖のあるオリーブみたような味であった。
お酉様の縁日では切山椒とヤツガシラ、赤目芋を売っている。近頃の十一月は生暖かくなったが、昔は寒かったから、あつあつのヤツガシラがうまかった。
近頃、瀬見の「やまや食堂」で烏賊とヤツガシラの煮物を食べた。ほっこりしていて、かつ滑らかな舌触りだった。
冬の山形では、美味い大根料理にしばしば出会う。
以前、赤倉温泉の「初音寿司」に昼飯を食べに行ったら、大根漬けが出た。みずみずしく、甘く、ハリハリして、かすかに柚の香りがついていた。
微温湯温泉でツルムラサキの甘味噌和えを時々出すが、仲々美味い物である。 「チャイナハウス」で以前つくったツルムラサキの焼売も良かった。
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